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ヤマハ発動機では、60年代初頭から4輪用のワイヤースポークホイールが数多く試作されていました。そのホイールは、その後2000GTの試作車にも採用され、東京モーターショー展示車やボンドカーの足元を美しく飾ったのです。このホイールに組まれていたワイヤーの本数は60本。MGやトライアンフなどに履いていたワイヤーホイールなどと同じ本数でした。まだ、72本のワイヤーで組まれた高剛性のワイヤーホイールが一般に普及していなかった時代です。2輪車の技術を応用して開発されたこのヤマハ製ワイヤーホイールは、激しい走りによってスポークが緩んでしまうなど、4輪車のサイドフォース(横G)に絶えうるだけの性能を持ってはいませんでした。2000GTのレース仕様車を開発する上で、アロイホイール(合金製ホイール)の開発を余儀なくされたのはそんな理由からです。新たに検討されたのが、軽量高剛性のマグネシウム合金。すぐさまデザイナーの野崎氏とシャシー設計の山崎氏とで日本グランプリ用のマグネシウムホイールが開発されました。さらに市販車用のホイールについても、メンテナンス性や耐久性、量産性などを充分に考慮した上で、専用マグネシウムホイールが新規でデザインされたのです。なおマグネシウム合金には、衝撃に弱く腐食しやすい特徴を持つことから、耐用年数が非常に短いため、トヨタ自動車による補給品以外にも数多くの復刻・レプリカホイールが存在しているのが現状です。

1.【ボンドカーワイヤーホイール 4.5J】実際に計測していませんが、多分4.5Jのワイヤーホイール。ワイヤーは60本で試作車に装着されていたタイプ。ハワイから帰った後、ブラスト→ドブ漬けメッキのお化粧直し。2.【DUNLOP製ワイヤーホイール 5.5K】 72本のワイヤーホイールをハブから交換して装着。JとKの表示の違いはホイールの縁のデザイン。カスモ貿易

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3.【神戸製鋼製 純正マグネシウム 5J】実はタイヤで決まってしまう2000GTの美しいシルエット。やはり5Jに165のオリジナルサイズがベストマッチ。 4.【神戸製鋼製 マグネシウム セカンド 5J】欠品していたホイールをトヨタの依頼で、再度、神戸製鋼が作ったもの。色は全体に黒っぽい感じ。

5.【レンチ ハブ ナット】ツールセットに入っている専用レンチ。緩める方向を間違えて、無闇にハンマーで叩くと、ヒビが入り藻切れる事があります。品番 09150-62010 6.【ナット サブ アッセンブリ ハブ】オリジナルのセンターロックナット。右用(運転席側)のナットに付く、リベット止めのプレートには、TOYOTA → UNDO RIGHT SIDEの文字。左用はTOYOTA ← UNDO LEFT SIDEの文字が入ります。ナットは矢印の方向に回せば外れます。何かの間違いでハブが逆に着いていたりすると、走行中にナットが緩み、ホイールが外れる事故が起きるので要注意!! 品番 右が42606-88110、左が42607-88110。

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7.【日本グランプリ 富士・谷田部型 6J】8本スポークのマグネシウムホイール。富士スピードウェイで行われた第3回日本グランプリに装着。(写真上) 8.【トライアル 富士・谷田部型 6J】谷田部を走ったトライヤルカーも日本グランプリと同じマグネシウムホイールを装着。

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9.【トライアルレプリカ シェルビーレーシング 7J】 写真の車はトヨタが作ったトライアルのレプリカですが、元はシェルビーレーシングでした。その為、現在もシェルビー製のマグネシウムホイールが装着されています。スピンナーはトライアルと同じ物が付いています。 10. ホイールに入っているSHELBY RACINGの刻印。

11.【シルビーレーシング 7J】本物のシェルビーレーシングに付くマグネシウムホイール。 12.【トヨタワークス製 6J】富士24時間のマグネシウムホイール。写真は当時の物でスピンナーが鋭角。(写真上)

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13.現在レーシングパレスに展示されている、富士24時間のマグネシウムホイール。車は映画『ヘアピンサーカス』の撮影に使用された後、現在の状態に復元されました。スピンナーにはTOYOTAの文字が入っています。 14.ヘアピンサーカス撮影時(写真上)

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15.【ENKEI 製 トヨタワークスレプリカ 6J】富士24時間ワークスのレプリカアルミホイール。 2000GTはセンターロックですが、動力を伝える為に5本のボルトがハブに突き刺さる構造になっています。そのボルト穴のピッチサークルは115mmで、当時の日本車では2000GTだけの寸法だったようです。このオーナーズクラブ特注ホイールは、一般的な114.3mmで製品化されてしまったようで、0.7ミリの誤差が発生しています。その為、5本のナットは緩めないと、取り外しが容易ではありません。走ることに関しては問題無さそうですが、治具を使って穴を削り直す等の加工が必要です。 16.【ヴィンテージカーヨシノ 6J】オリジナルタイプのアルミホイール。 ホイールの基礎知識

17.【ワ イヤーホイール ピレリー浜松 6.5J】アメ車のドラッグレース等に使われるタイプのホイールで、スポークの組み方も英車とは全然違い、2000GTにはちょっと不似合い。ハブもノーマルに被せる為、ジャガー等の一回り大きいタイプが付きます。試作車やボンドカーは、トライアンフ、MGサイズのなので、ジャガーサイズでは全体のバランスが狂ってしまい、大きなセンターロックナットも目立ち、ワイヤー本来の優美な感じではありません。 18. ハブの上にハブを付けた状態。本当にこれで大丈夫なのか心配…。 19. オリジナルのハブにある穴のピッチが115mm 20. ジャガーサイズのハブとロックナット。 21. 3個のパーツで構成されているコンバージョンキット。

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22.【チームトータス】トヨタ7のフロントにも使用されていたワイドホイール。モーターショーに展示されたワイヤーホイールの試作車は、トライアルカーに改造され、その後、プライベートエントリーのチームトータスに譲渡されました。(写真上) 23.【ハヤシストリート 6.5J】ハヤシ特注のアルミホイールで14インチ

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24.【アルミ5本スポークホイール】フェラーリ風のアルミホイールですが詳細は不明。オーナーが特注したワンオフ物のようです。 25.【スチールホイール】 2300GTに装着されていたと言う事ですが詳細は不明。こちらもワンオフ物のようです。

MF10-C TOYOGLIDO SHIFT LEVER

【トヨグライド シフトレバー】
オートマチックを搭載した後期型の2000GT MF-10Cのシフトレバーです。トヨグライドは前進3段全自動フロアシフトでセンチュリーに使用されていた物です。コンソールのプレートはP・R・N・D・2・Lの6ポジションになっています。トヨグライドの2000GTを購入したオーナーの中には運転の物足りなさからマニュアル車に買い替えた人もいた様です。

1速2.400/2速1.479/3速1.000/後退1.920